プロローグ
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新銀河暦89年、アジア星系第2惑星CITY.NEO.TOKIO。 この国の中心都市、NEO.SHINJYUKUにある、シティ最高にして最上の機関。 “銀河連合・アジアⅡゾーン・シティ・ネオ・トキオ支部”。 通称“G.U.A.Ⅱ.コードⅦ”。
表向きはこのシティを統括する国内議会なのだが、センター地下数十階という所で、このプログラムは進行されていた。
「どうだろう? ドクター・ミシェル。今日あたり“この”再生は可能なのではないか?」
映えるブロンドヘアを軽やかに揺らし、ウェーブのかかっている横髪を背中へとはらいのけ、もうそろそろ30歳になるとは到底思えない若々しい象牙色の四肢をおしみなく露わにし、その上にシルクのドレスを1枚身に纏い、その女は言った。
ヴェルベッドの唇の動きに半ば魅せられていたこのプログラムの総合責任者兼指揮官、シャルロット・ドゥ・ミシェル……。ドクター・ミシェルはハッとして口を開いた。
「は! 今すぐにでもとのメシア様のご命令であれば、手はずは整っております」
ゴポッ!
蒼い光に照らされて、その最新人工羊水の中の少女は両膝を抱え漂っていた。
まさに、子宮内にいる赤ん坊だ。
「……母上、わたくしに似ている。いいえ、わたくしがいるわ。いったいこの者は、だれ?」
ゴポゴポッ!
メシアと呼ばれ、母と呼ばれた女と同じブロンドヘアに衣装。 まだ10歳にもなっていないその少女は、不思議そうにそのカプセルに触れ、もう1人の“自分”を見つめる。