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逃亡者ではあるが、半ば犯罪者のような気持ちになる自分に、シュカはクッと喉を鳴らして自嘲した。
「……馬鹿馬鹿しい」
ため息をつくようにそう吐き捨てて、シュカは現在コウと住みついている廃墟の鉄筋アパートの階段を上った。
階段には俗に“無法者”と呼ばれている連中がゴミ置き場から漁ってきたような布に包まって寝息を立てている。
「風邪ひくぞ」
シュカは踊り場で大の字になってケットをはいでいる少年に、それを掛け直しながら言った。
国は関知しない。そして、親さえも……。増えゆく“無法子族”に対して世間は厳しく、そしてとても冷ややかだ。
なにも、子供が悪い訳ではないのに。子供が親を選べる訳がないのに……。
ここにいる、大体の少年少女は、PSYをもって生まれたせいで親に捨てられた。制御できないPSYに恐れ、親は子を見放すのだ。
『化け物だ』と、『一体誰の子なのだ』と、怒り、罵られ、そして置いていかれるのだ。
「……カ、シュカ!」
「ん? なに、ハル。ヨイコはおねんねしてる時間だよ」
くんっとパンツの裾を引っ張られ、シュカはその引っ張られた方にかがんで言った。
ハルはチャームポイントと言えるだろう蒼い大きな瞳をシュカに向け、まだまだ幼い小さな体を寒いのかぷるっと震わして言葉にした。
「もー、カンベンしてくれよぉ。ウルサくって“オネンネ”できないっつぅの」
年に似合わず、肩なんかすくめてしまうあたり、なかなかこましゃくれている。