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 ちがうのぉっ! おれが欲しいのはコーユーんじゃないのぉっ! などと雄叫びに近苦なっている声に通行人達はくすくすと笑いつつ2人を眺めて行く。
 そして、目立ちたくはないシュカはコウの手を引いてその場から離れ、最後にはシュカがどこからか稼いできた金で食事をする。という日常に2人はなっていた。

「なぁ、シュカ。いつも思うんだけどこの食事代ってどっからでてんの?」

 陽もとうにビルの狭間から下へと落ち、ネオンと雑踏の海となったネオ・ダイバの歓楽街でコウはぽそっとつぶやいた。
 そう、本当にこれだけの食事ができるお金を自分たちが持っているはずがないのだ。
 コウは「うーん?」 とネオンの海を見渡して生返事するシュカに眉間を寄せる。

「バックレんなよっ! ……たしかにおれがいっつもサワグんだけどさ、かなり無理してんじゃねーの? っそだ、おれ働くよ! んでんで、おれがシュカにたらふく食わしてやる!」

「はははっ、ダメだって。コウまだ10歳になったばかりだろ。ふ……いいんだよ、余計なこと考えなくて。でもあれだな。5年後くらいにはご馳走になろうかな?」

 わしわしっとコウの頭を撫でてシュカは笑った。
 コウはそんなやわらかいシュカの笑顔に素直に頷く。

「シュカ、シュカ! アパートまで競争っ!」

「えっ、おいコウ! ……ったくもう」

 日常。至ってなんら変わりのない。
 たとえ寝る場所が毎日のように違っていたとしても、シュカが毎夜のようにコウの横から抜け出しているとしても……。

「ねぇ、オネェさん。俺のこと買わない?」

 夜の街ほど、金に化ける時間はない。