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深夜の街ではそうめずらしくもない苦悶の喘ぎ声。
しかしそんなものもこの何億というネオンと騒音にまぎれてしまい、気にする者も居ない。
“Pleasure”を経験した者は大抵が中毒者となり、2度3度とそれを求めるが、“Pleasure”は過度のアドレナリンを第三者によって意図的に放出させるため、脳の許容量を超えて脳死に至る。
そう、行使されている方は仮想性行為のつもりで楽しんでいるが、最期は仮想の世界で腹上死である。
「っふ……──っ!」
「はい、オシマイ」
女の顔が男にとって一番美しく見えるというその瞬間にシュカはさっと両手を上に挙げ、行為をやめる。
高みに達する寸前でやめられた女は息を荒くしてシュカにもたれかかり、悔しそうにして言った。
「っんもう! な、にすんの……っよ。ふ、もーすこしで……イケたっのに……」
「これ以上すると俺、人殺しになっちゃうからね。 ……2、3日ヤメといた方がいい。じゃないとマジ、イッちゃうよ?」
青やピンクのネオンに左半身を照らされながら、シュカは差し出された報酬を慣れた手つきでパンツのポケットに収めた。
この2年、これがシュカの日常となっていた。昼はコウとPSYを使っての“なんでも屋”。そして夜はこうした輩の相手。
別に、惜しくともなんともなかった。ただ、自分と同じ人種のコウが、幸福であれば……。笑って、傍らにいられれは……。
「よぉシュカ! どうだ、今地下でPSYでK-1やってンだ。入んねーか?」
ガタイのいいスキンヘッドの男が、ナイフの付いたチェーンをじゃらじゃらと弄びながらシュカを誘う。
この一帯でシュカは裏ではかなり有名だったりもするのだが、本人は少しためらって見たことのない大男に片手をあげてNOと返した。
……そろそろ、ダイバも潮時かな。