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「……影、ね。けれどもトキも影という事にはならないだろう? カスガ。ナキがあの状態ではいつ影が本体になるか分かったものではないからね」
上空から震えている己を見下ろしてシュカは腕を組む。
「はは、そうだったな。そうだったんだよ。本物に何かあった時のための偽物だったんでしょう? それを必死に捜しているという事はこの2年で相当悪化した……。タタクなら、現」
「減らず口はそこまでだ。お忘れの様ですから、ご忠告してあげましょう。君とわたし、基本値は同じなのですよ」
シュカの独白が終わると同時に、春日は左の手をスッとコウに向け、さっきのショックでぐらついている視線を宙にいる彼に向けた。
事の成り行きが今ひとつわかっていないコウは動かないはずの体をビクッと痙攣させて目を見開く。
「……仮にも“神”という名の下にいるなら、殺らないんじゃないですか? って、そんな信条ある訳がないな、アンタらには」
キシッという音とともにコウの背後にあるビルの壁にいくつもの亀裂が走った。
動けなくともそれ位の情景はすぐに思い浮かぶ。それを察したコウは目に涙を浮かべてひゅっと喉を鳴らす。
「いい加減に口が減りませんね。 ……3度目はありませんよ。“冬姫様はどこですか”」
質問ではなく詰問となっているカスガの口調に、シュカは唇を噛んだ。
少し、己の能力を過信しすぎたな。
そう思いつつチラとコウに視線を移すとそのタイミングを見計らったのか、またより一層の亀裂が壁に走った。