vol.3.0 出逢い〜side 綜也〜
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カラカラン。
人工的に作られた、元はアスファルトだったコンクリートの隆起した頂上にやっと出てきた太陽を背にして1人の少年が空気からフッと現れ、少々コンクリが崩れ落ちる。
綺麗に整えられている青紫色の髪には端正な顔立ちには不釣り合いな赤いメッシュが入れられていて、両耳に金のピアスと左にだけ“Z-01”と刻印されたカフスをしている。
「……こちら綜也。飛行し、上空から確認したところ半径20kmは全壊。生存者はこの様子では無いと思われますが──」
ソーヤと名乗ったせいぜい10歳前後の少年は、右耳から延ばされて片目だけを覆うようなレンズで四方を見渡す。
このレンズは、インフォメーション・グラス。通称“インフォ・グラス”と呼ばれるもので、着用した本人の得たい情報を発せられる脳波から拾い上げ、レンズに投影してくれる。といった代物である。
「これの原因だってはっきりしねぇのに、なぁーんで“俺ら”がこんなトコ来なきゃいけねんだよ」
『“Z-01”、余計なことを言っていないで早く詳細調査を開始しなさい』
インフォ・グラスから少々イラついた中年男の声が流れた。
ソーヤは片眉を上げて右手をひらひらとだるそうに振る。
「はーい、はいはい。わーかったからそう急かすなよ。やりますよー。やりゃーいいんデショー。あーいそがしいなぁ〜」
コンクリの山をトントンと軽快に下りて、ただ歩きながらそう応えたソーヤにまたもにイヤホン部から注意の声が発せられる。が、それはソーヤの手によってスイッチを切られ、通信の意味をなくされてしまう。
「……ったく、るっせんだよ。たかだか看守のクセに」