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『暁にね? 渡しておきたいものがあるんだ』

 M.C……メモリアル・チップ。
 暁はドクドクと脈打つ左手首にはめてあるアームバンドを見て、恐る恐る一言囁いた。

「……ゴクリ。“Φ-18ファイ-エイティ”」

 瞬間、カァッ! と、その1室だけ強い光に包まれ、暁はうっと眉間にしわを寄せてきつく目を閉じた。

「……っうぅ」

 目がそれに慣れるのに多少の時間を要したが、暁は目をすぼめながら床にある物を見つける。
 いつか、資料で目にした事がある。

「タ、イムボート……」

 『……僕の分も、花……見てきてよ』 史郎……。
 『約束』 うん。約束……。
 暁はシップを開けて、やっと1人分入れるスペースにすっぽりと収まる。そして刹那瞳を閉じて、決心する。

「西暦199X年、日本、首都東京」

 パァ――――ッ!!
 暁を乗せたタイムボートは、現れた時と同様の光を放ち、一瞬にしてここ、2301年から消え去った。
 けれどそれを時空警察タイムポリスがかぎつけるまで、あまり時間はかからなかった。

 彼岸花のある時代へ……。史郎が綺麗だって言った彼岸花の、ある場所へ……!