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……また、怒られちゃうな。
そんな事をふっと思って暁は自分を周りの空気に溶けさすようにして、消えた。
「っお袋! お袋!!」
ハイツみそら。2階の203号室。
順平はガンガン自分のアパートのドアを叩いて部屋の中で眠っている“だろう”母親を起こそうとする。
鍵がかかっているのだが、実は簡易ポストにいつも合鍵を入れてあるという事を順平自身すっかり頭にないでいた。
「っおふく、っ!? うぐ!」
ガン! と勢いの良い音で開いた203号室のドアは見事に順平の顔面に直撃した。
そしてその場にしゃがみ込む事になった順平は、まだ31歳という若い母親からお叱りを頂く事になる。
「っさいよジュン! ポストに鍵はいってるでしょお! ひとがせぇっかくいい気分で寝てたのに起こすなバカ!」
「~~~っっ!」
ジンジン痛む顔を右手の平でおさえ、順平は上目使いに自分の母親、順奈を見る。
別に、変わった所は無さそうだと順平は刹那ホッとする。が……。
「たっだいまァ順奈さん♪」
「ん、暁おかえりぃ。帰ってきて早々ワルイけどあたしのスーツ値札取ってベッド置いといてぇ」
な……に?
順平はえっ。とその場に固まる。
「にっ♪ はいは~い」
今さっき、多摩川に置いてきたはずの少女は爽やかな笑顔で自分の母親の言うことをきいて、尚且つ自分の家へ平気で入っていく。
「ちょっ! 何やってんだよテメェ! 勝手に他人ン家上がんじゃ————」