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集中治療室と緑色でドアに書かれている前の椅子で、順平は順奈の来るのを今か今かと待っていた。
じっとしていられないのか、立ったり座ったり。さすがに院内で煙草を吸う訳にもいかず、1時間強気持ちをはやらせていた時だった。
「ジュン! 暁は!? 心臓発作ってなんでぇっ?」
およそ見舞いとは程遠い、明るい黄色と黒のツーピーススーツを何の違和感もなく着こなして、それと対になっているハイヒールの踵を鳴らしながら順平の母である女性は言った。
「っおっせぇよ! ……っ急に倒れたんだっ」
原因はSPYの過度の行使。
けれどそんな事、言える訳はなかった。
「~~~っヤだぁ! 知らなかったよそんなのぉっ。暁、心臓悪かったなんてぇっ」
フェンディのハンドバックを両腕に抱いて涙ぐむ母親を順平は椅子に座らせて落ち着かせようと背中をさする。
しばらくして、ICUの自動ドアが流れ、水色の医療着を身に付けた医者がマスクを外して廊下へ出てきた。
「……何とか意識はあります。が、今夜あたりが峠だと思って下さい」
「っあの! 中……入れませんか? 話したいんです。5分でいいから!」
去ろうとした医師に向かって順平は必死の思いで頭を下げた。
人に頭を下げるなんて、死んでもするものかと、思っていたけれど……。