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「もっと早く逢いたかったんだけど。ごめん」
何を訳のわからない事を……。
順平はわずかに眉根を寄せて、もう1度視線を上げた。
朱く細長い花弁。すらりと伸びている緑色の茎。
こくんと順平は喉を鳴らして、恐る恐る血で固まってつっぱっている右手を差し出した。
『秋で枯れちゃうのよ』 『今咲いてたら奇跡ね』
「あの子と一緒に居てあげて下さい。 ……そして、ありがとう」
順平がその花を受け取るのを合図に、目の前に居た男はそれだけ言ってふうっと消えていなくなった。
「ひ……がん、ばな……。————っ暁!」
那由多の星が輝くとき。
「っ!? ちょっと困りますそんな格好で入られては!!」
奇跡は必ず起こるんだよ。
「暁! 彼岸花だ! あったんだっ、奇跡はあったんだ!」
たとえ違う場所に居ても、同じ願いがあれば。
「……イオン、あの花の細胞記憶を再生させて咲かせて、何の利益があるよ。それに重罪人の逃亡に加担したなんて総主に知れたらどうするつもりなんだ」
寂しくはないだろう?