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 慎ちゃんのびっくりして固まった顔が、ふっとあたしからそらされたのを見た瞬間、なんともいえないキモチが広がって……。
 慎ちゃんの横をすり抜けてあたしは家を飛び出した。

「ありっ! ――っ!」

「おまえに追う資格はないだろう!」

 家の外に出たとき、おっきな声が家中にひろがった。
 慎ちゃんの、声、だった。
 あたしっ、どうしよう……。どうしよう!!
 おもての白い街灯の下で、がちがち震えながら、凍っちゃうんじゃないの?この涙……。 なんて思ってつっ立ってた。

「はぁ。 ……有栖」

 

 

 PiPiPi! PiPiPi……ピッ。

「もしもし。 ……ああ、うまくいってる。ただちょっと計算外なヤツが出てきてね。 うん。……うん、わかってる。大丈夫、おれに任せとけよ。 夜中抜け出してそっち行く。気をつけるよ。 じゃあ、後で……」

 Pi!
 春日部、有栖……。