p37

「……有栖なら、有栖と同じ状況のヤツがいたら。っもしそれが男でもっ! ……一緒にいようとするか?」

 さぁぁっと、雪風が吹いた。
 あたしと、おんなじ立場の……。 ドキン。
 迷いはなかった。 あたしはひと呼吸おいて……笑った気がした。

「うん……。同情でもなんでもいい。きっとその人もひとりなら、そばにだれかいて欲しいって思ってると思うから……。あたしはきっと、そのひとのそばにいると思う」

 和泉がはっと目を見開いたのがわかった。
 でもそれ以上は何も言えなくて……。
 セーターのそでを両方伸ばして、行ってきます。 それだけ言ってかけ足で出かけた。

「クスクス。 なかなか……イイ子じゃないの。 ねぇ? 和泉」

「――……っ来るなっつったろっ。 誰に見られてるかわかんねぇんだぞ!」

「そんなに熱くならないでよぉ。 ……ふふっ、いずれこの家は私とアナタの物。 “飼い犬に手を噛まれる”ってことわざあるけど、そんなこと……ないわよねぇ? イ・ズ・ミ。家の中が見たいわ。見せて」