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「史郎、見て? かわいいでしょう。私とこの人の娘よ? 可愛がってちょうだいね」
その純日本人風の女性は、うしろで綺麗に結い上げられている長く黒い髪の毛を少々気にしつつ、小さな、いわゆるベビーベッドで手足をぱたつかせている赤ん坊を我が身に抱き寄せた。
「? あかちゃ?」
やっと2歳になったばかりのその男の子は、不思議そうにその赤ん坊を見上げ、背伸びをする。
その仕草に母親は愛しげに目を優しく細め、屈んでその男の子……史郎に自分の分身ともいえる娘を見せた。
「そうよ。あ・か・ちゃ・ん。クスクス、名前はね、“暁”っていうの。夜明けって意味なのよ? いつも明るい陽が差しますようにって……」
「あかちゅき! あーかちゅき! ボク“しろう”ってゆうんだよ?」
史郎は自分の手よりもはるかに小さい暁の手を見てほうと感動する。が、一瞬あれって顔をして暁の母親にたずねた。
「ねぇ、あかちゅきわらわないよ? ぐあい、わるいのかなぁ」
心配そうな史郎の顔に、暁の母は笑って答える。