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「2ヶ月位経ったら笑うようになるわ。 ……ねぇ史郎、来月から貴方は養成場に入っちゃうから忘れちゃうかもしれないけど、出来るだけ……覚えていて? “暁”っていう女の子がいるって事を」

 途中からその母の笑みは消え、眉間にしわを寄せて哀しそうにその男児を見つめる表情に変わっていた。

 養成場。生物科学研究所バイオサイエンスラボラトリ、養育舎。昨今、22世紀に入ってからというもの銀河系ギヤラクシー進出ぬために要する科学者サイエンティスタが不足しているため、満2歳と1ヶ月を越えると男児女児問わず親元から引き離されそこへと連れて行かれるのだ。
 そこで何をするかというと、脳値数ブレインピッチ(いわゆるIQ)を測定し、ピッチが200以下の者は22世紀初頭に開拓された“火星マーズ”へと送られ、200以上の極少数の者はそのままそこで科学者サイエンティスタとしての養成を強制させられる。
 結果としては史郎はここ、生物科学研究所V.S.Lに残り、その上史上最年少の科学博士サイエンスドクターの称号までも取ってしまうのであった。

「“μ-78ミュウ-セブンティエイト ・暁”の両親が亡くなったって……っ! Dr.μドクタ-ミュウ夫妻が!?」

 エリート階級をひた走っている史郎は8年前の幼い面影を少々残したまま、今しがたまで行っていた銀河系開拓のチームを抜けて、伝達に来た1人の男に繰り返し聞いた。