弐~銀白の闇
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夢を、見ていた気がする。
懐かしいなにかが……頭の中を駆け巡っていた。
シャッ! と、何かが引かれる音がして、閉じていた瞳に明るい光が宿るようにして光の海が部屋の中を包んだ。
「う……ん……」
影良はふかふかのベッドの上で光のまぶしさに眉間を寄せ、ごろっ。 と、寝返りを打ってゆっくりと瞼を上げた。
……頭がボーっとしてる。 こんな所だったっけ、九十九の部屋って。
影良は眠る前の記憶を掘りおこして、違和感を覚える。
っ九十九の家じゃない?!
「あ……、オハヨウございます。 ご気分はいかがですか?」
がばっ! と、擬音付きで上半身を起こした影良は、窓辺から差し込む朝日を背に受けて立つ、白銀髪にアイスブルーの瞳を持つ北欧人を見て喉を鳴らす。 どうやらさっきの音は、カーテンを開けた音らしい。
「……こ、こは……」
「ここはワタシの部屋ですよ。 まだ寝ててよろしかったのに、クスッ」
白いボタンダウンのシャツに、サラリと長い髪が肩からしなだれ落ちる。腕を組んだままのその男は20歳過ぎだろうか、整った顔立ちと仕草。そしてその微笑を見た瞬間、影良はハッ! として独り言のように言った。
「あ、なた……昨日の……?」
駅前でぶつかった、あの外国人……。 っな、んで? どういうこと————?!
「クスクス! そんな怪訝そうな顔なさらないでください。 ワタシの名はターシャ・V(ヴェルリア)・ルース。 ……よろしく、エイラ」
「なっ! なんで私の名前……!」 ドクン、ドクン、ドクン……。
「表龍神末裔」
ビクッ!