p33 ~序章 弐~白夜来臨~ 完

「別れたよ。 たった今」

 影良は信じられないと首をゆっくり横に振る。

「い、まの……っ、聞かなかったことにしますっ」

「オレは、君がオレのことをどう思っているのか知りたい。 答えてほしい」

「────────っ! 憎んでるっ、恨んでる! だって貴方は私のっ、おれの全てを奪った!! でも……っ。 っふぅ……!」

 涙が……熱い。 姉貴……、ごめんね。

「好きです」

 

 

世界一の裏切り者になろう。
一切の罰を背負おう。
もう戻れない。 もう還れない……。
堕落した天使は、もう二度と浄化することはない。
 

 

 光記の満面の笑顔を見た影良は、そのまま彼の腕の中に身を委ねた。
 そのときの光記、魁、そして影良にも、窓外の樹の枝に1人の北欧人が立っていた事など、知る由もなかった。

 

序章 弐〜 白夜来臨 ~ 完)