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「っは、あ……っヤ=シャぁあ——!!」

「っ姫様! っこ、れは……」

 フッ。 と、現れたヤ=シャは、血の海に横たわっている一人の男を目の当たりにして目を見開く。

「早く! 早くしてくれよ!! 神に選ばれた人間なんだろぉぉぉ!!」

「はっあ……っ、ヤ=シャぁっ、ヤ=シャぁ——!! ……っ」 ガクン!

「ラ=ゴウ様!」

 ヤ=シャは気絶したラ=ゴウを左腕で抱きとめて、半狂乱になってしまっている少年に、切なそうに顔を歪めて言った。

「っ殿下はまだ覚醒してらっしゃらなしい! 現ケイ=ト女王陛下ならできるが、殿下はまだ龍印を賜っていないのだ! そなたと同じ普通の人間なのです!!」

「う……っうっ! うわぁぁぁぁ——!!」

 ———— ヤ=シャ ————

 

 

「う……ん……」 ごろっ。

 ギシッ。 と、ベッドをきしませて影良は寝返りを打つ。 が、その時首筋にズキッ。 という重い痛みを感じて眉間にしわを寄せて、うっすらと眼を開ける。

「……っつぅ! ……痛ぁ……っ」

 頭がガンガンする。 えっ……と、光記さんが倒れて、それで……私。私————?!
 がばっ。 と、勢いよく起き上がった影良だったが、うずいて止まない首筋の痛みを手で抑えながら部屋を隅から隅へと見渡す。
 ゴクリ。 九十九の、部屋じゃない。
 影良は一度来たことのある場所だとすぐさま悟り、ぞくり。 と、身震いした。

「エイラ……」

 キィ。 と、ドアを静かに開けたと同時にその黒い影の主はそう呼びかけた。