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「っちょ……! ヤ、だっ! あ……っ、嫌いになるから!! これ以上したらっ! ターシャのこと憎むから! 恨むから!!」

 自分の首筋で、ターシャの息がふっ。 と、切なそうに消えた気がした。
 心臓が早鐘を打ち、思うように呼吸できないもどかしさと、ターシャの動きが止まったことの安心感で、影良はぽろぽろと涙を流し始める。

「……っは。 アナタには、憎まれてばかりだ……。 それでも、アナタに憎まれても、恨まれても……。ワタシは光神を殺します。 それだけは承知しておいて下さい」

「——……え?」

 と、その時だった。
 ガタン! と、リビングのほうで物音がし、バンッ! と、いう勢いで寝室のドアが開いたのは。

「影良!」

「……っ光記!!」

 影良が叫ぶのと、光記が身構えてトカレフを撃つのとはほぼ同時で、それをターシャは読んでいたかのように首だけで避けてかわす。 が、スッ。 と、かすめたのか、ターシャの頬にはひと筋の血が滲んでいた。

「っ貴様! 生きてここから出られると思うなよ……っ! 影良、早くこっちへ!」

 左手を差し伸べ、光記は影良を呼び寄せる。 が、

「エイラ……」

 影良はベッドから跳ね起き、ドアへと向かおうとしたが、ターシャに左腕を引き寄せられ、刹那、冷たい唇が重なったのを感じた。
 そしてそれを感じた瞬間、ターシャは姿を消し、その場からいなくなったのだ。

「……————っ!」

 そして影良も、ターシャが消えるのに合わせるように気を失い、その場に倒れ込んだ。

「っ影良!!」

 ぐらっ。 と、その身を前に折り、フローリングに倒れそうになった影良を、光記は自分の腕の中へと抱き込んで、その存在を確かめるようにきつく抱いた。