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「クスッ。 言えるワケないわよねぇ。自分だってあの銀髪男としてたんでしょうから?」
ニッ。 と、不適に笑った亜伊のセリフに影良は泣いたまま自分の口を覆い隠す。
そ、うだ……。光記を責めるなんて、私には出来ないっ。 だって、私……っ! 私……っター……!
「影良?!」
ばっ。 と、ケットを跳ね除け、ベッドからドアへと一直線に向かっていく影良を目の当たりにして呼び止めた光記は、影良の言葉に愕然とした。
「——っごめんね……? 自分の、部屋行く……ね?」 タッ——!
泣かさない……。 そう言った。 なのにっ!
ばんっ! と、光記はベッドサイドにあるテーブルを力いっぱい拳で叩いて亜伊に叫んだ。
「出て行け!! 今すぐこの部屋を出ろ!!」
月が……欠けている……。
影良は自室から眺めることが出来る月を仰ぎ、おしみなく涙を流す。
『同情だけの恋なら、誰にでもできるんですよ』
ターシャの言葉が頭から離れない。 そんなことないって……言えなかった。否定できなかった……っ。
「影良……。 ごめん、あれは……事故だから。 っオレ、泣かさないって……。約束したのにな。 っ……ごめんっ」
ドアの向こうから聞こえる、切なくも必死な声に、影良は涙も拭わずにドアを開き、目の前に居る光記の首に、半ば飛びつくようにして自分の腕をまわした。
「こー……きは、私が……羅豪じゃなく、てもっ。 好き……なってくれたぁ?」
震える、体。 震える、心……。
『少なくともワタシ、ターシャ・V・ルースは、エイラ・キリユウに逢いに……、イングランドから参ったのです。 “ターシャ”という男は、エイラ、アナタが好きなのですよ』
ビクッ! 影良は体を痙攣させて、光記の首に回していた手を急いでほどく。
「——っあ……はは。 ごめんっ。なんでもないっ! き……かなかった事にしといて?」
「? 影良……。 ————……っ! 影良! ……っと、アイツとなにがあった!!」