p50 ~序章 参~闇中月光~ 完

「その少女も、孤独でした……」

「……————っ?!」 ドクン――!!

「“「おれは誰に言われた通りに生きるつもりはない」”。 とても、10歳そこそこの少女が発する言葉とは思えなかった。けれど、前世むかしからアナタはそうでしたよ。 ……ああ、ワタシが捜していたのはこの少女なのだ。 と……」

 ドクン、ドクン、ドクン、ドクン!!
 影良はターシャの言葉に刹那固まってしまい、ぽつり。 と、翠色に輝く瞳を見開いたままひと言言った。

「“誰が……わたくしを孤独にさせたと思っているの?”」

「……エイ、ラ」

「“そなたはわたくしを拒絶した! それは事実で、なのになぜ今またわたくしに辛い記憶を思い出させるの!! なぜっ、なぜ……――”」

 羅豪の記憶が……影良を凌駕しているっ。
 ターシャは反対に自分の両肩を強く掴まれ、翠色の瞳の中にむ女王に一瞬ぞくりとしてしまう。

「エイラ、エイラ! 意識を明け渡してはいけません! エイラ!!」

「————っ!」 フラッ。

 だめ。いやだ……。 前世むかしのことなんてもう……、思い出したく……な……――――。
 すぅっ。 と、意識を手放して全身をターシャに預けた影良は、一度ひいた涙をまたひと筋流して、暗闇の中へと落ちていった。

 

 

輝く月灯りは なにを伝えているのだろう
暗闇の中たったひと筋 この惑星ほしに降り注ぐ光の中に
前世むかしの貴方はなにを託し
前世むかしの私はなにを……
伝えたかったのでしょう