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 桜散る季節でした。

(サヤ……好きだ)

 愛を言葉に……できなかった。

(好きだ、好きだ……愛……っ)

 頬をつたって、ナニカが土に染みをつくった。 一体これは何の……涙なのか。

(好きだ、好かない、好きます、好く、好けば、好こう、好いて……―― 俺を)

 そうっと根本をもう一度なでてみる。
 白い、ナニカが姿を現した。

(別に、女なんて星の数ほどいた……)

 白い……、土に埋もれた……サヤ……。

(別に……――――)

 両手を大地につけて、うなだれる。

(この女じゃなくてもよかった ―――― )

 桜散る、季節でした。
 生まれ変われたとしたら
 きみとふたり、生きていきたい。
 めぐる想いは、儚くも……。
 桜のみせた
 幻でした……。

                       (終