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と、その時だった。
ガーッとお店の自動ドアが開き、1人の、こういった風合いの店には似合わない女の人が入ってきた。

「いらっしゃ……。 なに、めずらしいな。バイト先ここまで来るなんて」

晴行さんはカタン。とカウンターの椅子から立ち上がってその女の人を迎える。
と、同時にウクレレを弾いていた睦月の指がぴたりと止む。

「あ、ちょうど近くに用事があったからね? マジメにやってるかな……なんて思って」

肩にかかっていた髪を耳にかけて、その人は今度は睦月に言った。

「ヤッホ。相変わらずギター少年してるじゃん、睦月」

「そ……、そんなんじゃ、ないよ」

睦月の顔が、ほうっと赤みをおびてくる。

お、睦月こいつのこんな顔初めて見た……。

「あれ、新顔」

「え、あ、ども……」

俺はなんか睦月のほうに気を取られて、曖昧な返事をその人に返した。 と……。