p.46

 いきなりクラスの、普段じゃあまり話しなんかしないヤツが、窓際でぼうっとしていた俺を呼んだ。

「……なに」

「日下さぁ、オレらより2コ上の田野中って先輩と仲……良かったよな」

 は?

 俺は、だから何? って顔してそいつを訝しげに見やる。

「なぁ、カケオチしたって本当?」

 妙に真剣な顔してそいつは、誰でもない俺にひっそりと、内緒話をするかのように耳打ちするる。

「誰が?」

 それしか、聞き返しようがない。 不審そうな目でそいつを見た俺の言い方が悪かったのか、身を引かれてしまう。

「お、怒るなよ……。 だから、田野中先輩」

「————っおまっ。ガセでそういう事言うなよ!」

 頭の中が、ぐちゃぐちゃになる。
 なにが、自分の頭をもたげているのか分からないのに、俺は怒鳴っていた。