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 でも、なぜか俺の脚は購買部の隣にあるピンク電話に向かって、走っていた。

 あいつの家は……。

 チャリン。と、10円玉を3枚入れて、ジーコと、はがゆいくらいゆっくりと回るダイアルをイラつきながら動かす。 ……が。
 はっ。とあることに気付く。
 この時間に家にかけて、“もし”睦月は学校に来ていることになっているのだとしたら……。
 ガチャン! チャリリン。
 10円玉が落ちる。

 それは、マズイだろう。たとえ、“もしも”だとしても……。

 風邪で休んでいるとか、そういうことで休んでいるんじゃない。と、俺は確信していた。
 ぐっと下唇を噛んで、がつっと上履きで廊下を蹴った。
 じん……とつま先がしびれたところで、本鈴が頭の上のスピーカーから降ってきたのだった。

 家に帰って、例によってお袋の帰りをソファの上で待っていた時だった。
 リン。と電話の呼び出し音が鳴ったのは。
 一人で居る時にかかってくる電話というものは、どんな場合でもあまり気持ちの良いものではない。