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 睦月はあからさまにびっくりした顔をして、俺の顔を今日はじめてきちんと見た。

「……んで、なんで1人で行ったよ?!」

 ガシャン! とフェンスに、睦月のブレザーの襟を掴んで押し付けた。

「お前にとって俺は! 何にも相談できない、信用できない存在なのかよっ!」

 ガシャガシャとフェンスが揺れる。
 睦月はうなだれたまま、ぐっと体を強張らせている。

「てめぇ1人が不幸だと思ってんじゃねぇ!」

 がつっ。
 鈍い音と共に俺は頬にじんじんする痛みを覚えた。
 はっきり言って驚いた。
 睦月が、俺を殴ったのだった。

「センパイのほうこそ“そう”なんじゃないですかぁっ! 自分が一番不幸だと、可哀想だと思っているでしょう?!」

「っお前にンなこと――っ!」

 俺はたまりかねて睦月に殴りかかった。
 人を殴るのは、初めてだった。

「なんだよっ! 言いたいことあるなら言えよ!!」