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寒い。
俺は再度部屋を見渡して、両脚をぐっと抱く。
どうする?
もう少し待ってみるか……? 別に、大したことじゃないかもしれない。
大したことじゃ……――――。
俺はばっと勢いつけてソファから立ち上がり、鞄の中をあさって、昨日の放課後“あいつ”が書いた入部届けを不器用に取り出す。
なんでか、とっさに出てきたのが、睦月。 だった。
「はい、もしもし きぬや です」
「あ、もしもし、日下と申しますが睦月君……」
「あらやだ、葵くん? あの子から毎日きいてるのよ貴方のこと!」
あーっ、それボクの電話だろ母さん!
受話器の向こうから睦月の声。
そういえばこの電話番号ってそば屋だった気が……。
「もしもしセンパイ?」
「くっくっくっ! 俺、お前のお袋さん好きかも」
センパーイ、冗談やめてくださいよぉ。 なんて、睦月の声。
「で、どうしたんですか?」