ep.1
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その日は雪が降っていた。
新しく逝った彼女の御霊をあたたかく包むように……。
その日は雪が降っていた。
「この度はどうも……」
「遠いところをわざわざご足路下さいまして、ありがとうございました」
俺は喪服というまっくろなスーツに身を包み、焼香を済ませて帰る人たちに正座したまま無気力に頭を下げる。
これは、“だれの”葬式なんだろう。
はっきりとしていない頭の隅で、他人事のように俺はそうとなえてみる。
雪のせいでかじかんでいる手をぐっと握って下唇を噛む。
寒い……な。
顔がつめたい。凍りつくように、しんしん痛い……。
「————……さん、葵さん。一段落ついたんで、こちらの部屋に……。 父が、梅原が呼んでます」