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 驚きと不快感が頭をもたげる。
 その彼女はストレートの腰まで伸びた絡まりのないロングヘアを耳にかけ、俺からとりあげた煙草を掌でもてあそぶ。

 ……なんなんだよ。この女は。

「煙草はね、害が及ぶのが自分だけじゃないの。副流煙っていうもので他人まで害をこうむるのよ」

「ちょっ! ヤめなよ小夜子ぉ! ナニやってんのぉ!」

 隣りに居たもう1人のショートカットの女が、小夜子という女を止めに入る。
 周りがザワつきはじめ、このテーブルだけに視線が集中した。

「長生き、したいでしょ? “日下 葵くさか あおいくん”」

 ピクッと瞼を上げて目を見開いた。

 な、に……。何で、俺の名前知っ……。

「体に、良くないよ?」

「……そ、だな。今度から他人ひとの居ない所で吸うよ。 圭助けいすけ、先行ってる」

 ガタン。と、立ち上がって俺はその場を後にする。