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「……日下、くん?」

「その女性ひとに言っといて。俺、好きな女性ひとが居るからって」

 頭が、おかしくなる。
 次に自分が言おうとしている言葉が、予測出来ない。

「……っでも、真保いいコなのよ。1回、会って話をするだけでも損しないと思うよ?」

 ———— っイライラする!!

「俺はっ! 好きでもない女と付き合えるほどデキてないんだよ!!」

 彼女はびっくりして俺を見上げる。 当然の反応。
 数年振りに怒鳴ってぐらぐらしている頭を抱えるようにして俺はうなだれる。

「……じゃあ、好きな女性ひととだったら、付き合える?」

 ドクン……。
 鼓動が、はねあがった。
 俺はうつ向いたまま口を覆い、熱くなっている顔をなんとか普通に戻そうと必死になる。

 ……ヤ、バイ。ヤバイ、ヤバイ!

「その女性ひとが居るから付き合えないって、日下くんちゃんと言ってよ?」

「いっえるワケないだろ!?」