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小枝子……。なんであんたまでそんな顔してるのよ。 なんでみんなそんな……————。
ふと、縁側から見える応接室の奥にある“もの”が目に入り、目を見張る。
葵が撮ってくれた、あたしの写真の上に、白と黒のリボン。
あたしの写真と、たくさんの花に、ぽつんと横たわる白木の……棺。
———————— アタシ、アノ時、死ンダノ? ————————
「……葵、まぁさか今日も“仕事”! なーんて言わないよねぇ~」
あ、今ギクッとしたな。
葵はそぅっと玄関から振り返って、ぱんっと両手を合わせ「悪い!」 と言った。
「午前だけなんだ。昼飯出すからさ、いつも待ち合わせていた場所で待ってろよ。な?」
……や~ねぇ、その笑顔でみんなゆるしてもらおうって思うんだから。
そう思いつつもゆるしてしまうあたしもあたしだわ。なんて思いながらひと言。
「遅れないでよ?」
「わかってる。じゃ、いってきます」
「いってらっしゃい
幸福だった。たとえ六畳一間に狭いキッチンの古いアパートでも、葵といられるなら……。
葵が居たから、何もかも捨てられたの。
生まれ育った大きな家も、とても優しかった婚約者さえ……。
『貴女が好きです』
そんなかんたんなひと言であたしは幸福になれたの。