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 ……。ああ……。くすっ。なんだ、なんだぁ……。

「なに笑ってんだよ。俺はな! なんでいつもと」

「久しぶりの葵とのデートだもん。いつもと違うのは葵のためだもん」

 あたしがそう言うと葵はみるみる真っ赤になって、右手で口を覆いそっぽを向いた。 葵の照れる時のクセだ。

「ねぇねぇ、お願い……あるんだけどな」

「————っなに」

 まだ赤らんでいる顔を気にしながら、葵はちらりとあたしの方に目をやった。
 今日で、ちょうど一年になるね……。

「去年の今日行ったトコ、連れてってよ」

「……なにを、何しに行くんだよぉ」

 あ、ムカ……。
 ずるずるとテーブルに片腕を伸ばして葵は突っ伏する。

「だって次いつ行かれるかわかんないじゃん! ねー、あーおーいぃぃ。行こうよぉー。行こうってばぁー」

 ぷぅっ。とふてくされながら横から葵の顔を覗き込む。
 小うるさそうな顔をしているけど、もう一押しすれば……。

「ね♡」

 うんって……。いつもなら言うはずだったんだど、この時ばかりは違って、んべっ! と舌を出して拒否した。
 ~~~っっ!