前のページへ p4 次のページへ p5 こいつ、性格変わってない。 そう思った葵だったが、その想いの中に嫌な感情は入ってはいなかった。 そして葵は数ヶ月振りに笑顔というものを見せて、睦月に躊躇いがちに言った。 「じゃあ、頼むよ」 その言葉は、ふたりの空白だった年月を埋めるのには、十分過ぎる言葉だった。 睦月はその一言でこの半年が決して無駄ではなく、自分の新しい未来を綴ってゆくための準備期間だったということに気付く。 また葵も新しく動き始めた歯車に、身を委ねようかと、思いはじめている秋の夜長であった。