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「オッケー。平気だな、その分じゃ」

 ひねくれた会話。
 けれどそんなやり取りもなにか感慨深いものに感じる小枝子だった。

「ケースケ。 ……お姫様に逢ってきた」

 へへっと白いベッドで笑う葵。 圭助は良かったじゃん。と一言言っただけでつられて笑った。

「センパイっ!」

「あ、睦月。よかった、間に合ったな」

「――――っありがとうございましたっ!」

 がばぁっと勢いよくお辞儀した睦月は真っ赤な顔をして泣きだした。

「あんた泣き虫ねぇ。拭きなさいよ、みっともない」

 どこかで聞いたセリフだ。と、葵はぎょっとする。

「はは、小枝子ちゃん、やっぱり姉妹だね」

「え? どういうことですか」

 不思議そうな顔をしながら小枝子は葵に訊く。が、葵は、はははと笑うだけで答になっていなかった。

「久世さん、助かったよ」

 圭助のその一言で葵は思い出したようにばっと起き上がる。

「ついさっき、警察病院に移送された」

「そ、か……」

 病室内が刹那、しんとなる。

「頑張って生きます。だってさ」

 病室の窓をカラカラと開けた圭助は、秋の心地よい風に長めの髪を乗せ、いい天気だ。と独り言ちる。