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 翌日、東京駅名古屋行き新幹線ホーム。
 朝早いというのもあって、ホームは人でごったがえしていた。
 ビジネスマン。修学旅行団体。カップル。色々な人達が入り混じる中、葵、小枝子は睦月を見送りに来ていた。

「グリーン車なんていい席とってもらってすみませんでした」

「携帯で随時連絡するから、なるべく電源入れとけよ」

 軽快な音楽と共にアナウンスがホームに響き渡った。

「————の内側までお下がり下さい」

「じゃ、行ってきます」

「ん、気を付けてな」

 さーっと扉が閉まり、新幹線はゆっくりとホームを抜けていった。

「ふぅ」

 睦月は数人しかいないその車両を見て荷物を棚へと乗せる。

 見事にビジネスマンだけだな。

 しんとし過ぎている車両内を、つまんないなぁ。なんて思いながら睦月はシートに身を委ね、窓の外に視線を投げる。
 と、その時だった。

「おにいちゃん」

 と、声のする方へ顔を向けると、ひとりの少年が睦月に向かってカップのコーヒーを差し出していた。

「これ、さっきホームで手ぇ振ってたおにいちゃんが渡してくれって」

「え、あ」

 少年は渡すと同時に走り去り、睦月はお礼の言葉を言いそびれてしまう。