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 次の日の朝、5時半に小枝子からのモーニングコールで叩き起こされた葵と圭助は、二日酔いと睡眠不足からくる頭痛に頭を抱え渋々と支度をし始めた。

「その頭痛は自業自得ですよ。二日酔いだろうとなんだろうと、ちゃんと仕事はしてくださいね社長」

 小枝子の棘のある言い方に2人は苦笑するが、葵は圭助をモーニングへと誘う。が、

「いや、これから医局でちょっと事務処理して、七澤くんの様子を見てから東京へ帰るよ」

 と、片手をあげてそれを断った。
 そうか。 と、葵は頷いて、ジャケットの内ポケットから名刺入れを取り出し、一枚を圭助に手渡す。

「以前と変わりはないけど、一応。 ……そっちは任せた」

 何より睦月に対しての有益な情報がほしい。

 睦月の心配をしつつも自分の仕事を全うしなければならない。というジレンマが眉間の皺をより深くさせる。

 今は仕事を優先させなければ。

 朝食を急ぎ取り終え、そう自分に言い聞かせる頭の片隅で、昨日のファックスを反芻しつつロビーの椅子に座り、整理しようと手帳を開きかけた時だった。

「おはよう、日下くん。昨日はどこか行ってたの? 途中から姿見えなかったからどうしたのかと思って……」

「ああ、久世さん、おはよう。 ちょっと所用でね……。 不都合は無かったかな」

 うしろから話しかけられた葵は驚いて少々言葉を詰まらせてしまう。
 葵はたとえ旧友であっても睦月の事を自分から口にするのは躊躇われ、とっさに話しをすり替える。

「ええ。楽しかったわ。修学旅行思い出しちゃった。 ふふっ、そう言えば私、フラれたのよねぇ、誰かさんに」