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 紅葉もそろそろ終わりに近づきつつあるここ金閣寺で、それでも女性3人は会話に花を咲かせて満喫している。

「小枝子ちゃん、久世さん達と一緒のほうが女同士で楽しくない?」

「……コンダクターなので」

 前の女3人の後ろ数メーターのところで葵はさりげなく小枝子に聞いた。 けれど返ってきた答えに葵は、うーん。と刹那天を仰ぎ、はっとして小枝子の手を薫たちの元へと引っ張っていき、鞄から一眼レフを取り出した。

「そこの角度で写真撮るから並んで! はい、いくぞー!」

 カシャッ。
 シャッターの下りる音とともにくぐもってはいたが微かに携帯電話の呼び出し音が辺りに響いた。

「あ、れ? あ……、ちょっと失礼します」

 そう言ったのは小枝子で、写真を撮った場所から少しだけ離れて携帯を耳に当てる。

「はいもしもし。あ、はい少々お待ちください」

 さっきの声とは異なり小枝子は妙に声のトーンを下げて相手に返し、手招きで葵を呼ぶ。

 社長、お電話です。

 そしてそう続いた小枝子の言葉に葵は今朝がたの事を思い出し、えぇ? という目でそれを見た。

「っお電話ですっ」

 どうやら今度は嘘じゃなさそうだ。
 一眼レフをカメラ専用のバッグにいそいそとしまった葵は小枝子から携帯を受け取ると同時に、目を見開くことになる。

「渋谷さんからです」

 ひっそりとそう言った小枝子は葵に頷いて、薫たちをそこから遠ざけることにした。