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 そう。うちらの間じゃあ“京都へ行く”の略称だったんじゃないかって話しが上がってる。

 おかしい……。

「それで」

 それが見た感じ結構前に書かれたものなんだ。

「……鑑識の結果ってこと?」

 詳しい結果はまだだけどな。とりあえず今のところはそんなとこ。

「ん、わかった。サンキュー渋谷」

 ピッという音で通話を終了し、葵はいま書いたばかりのメモをもう一度見る。

 睦月が京都に向かうことになったのは前日の5日だ。それをどうやってそれ以前に知ることができる……?

 葵は後頭部をかしかしとかいて眉間の皺をより深くした。

「あーったくわかんねぇなぁっ!」

 ただ、これだけははっきりした。完璧な計画的犯行だ!

 葵は両掌で額から前髪をかき上げる形で静止し、悔しそうに下唇を噛んだ。

 こんなに手の込んだかたちで睦月に罪を着せようとするほど、睦月を憎んでいる人物がいる。
 そのことが葵にとって、とても切なく辛いことだった。

 

「日下くん、元気ないね。 ……彼、心配よね」

 小枝子たちがこぞって行った甘味処へしばらくしてから駆け付けた葵は、薫に開口一番そう言われ、一瞬目を見張るが浅い溜息を吐いて口を開く。

「ああ。従業員でもあるけれど、大切な……友人だからね」