SNOW Ⅰ

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いつだったか、これと同じ風景を見たことがある。
空からは粉雪。
校庭は、一面の雪化粧。
そして、たった一本ついた足跡のさきに人影。
皮のブルゾンのポケットに両手をつっこんだそのうしろ姿は、たぶん、この高校の男子生徒なんだろう。

けど……、なんだろ?
ちょっとちょっとぉ!
なんなのよ、これは?!

冬休みの初日、生まれてはじめてできた恋人である先輩の誘いも断わって、気の向くままに家を出た。
それで、着いたのがこの高校だったのだ。
ここに来たのは、初めてだよ。
覚えがあるはずなんてないのに……。

へんなの。
デジャ・ヴュ……とかいうやつかしら?

パサリ。

私の肩がふれた枝先から、積もった雪がかわいた音をたてておちた。
音に弾かれるように、雪景色の中の人影がふり向いた。
その目は、幽霊でも見たかのように見開かれている。

「ご、ごめんなさい。 私、驚かせちゃって……」

「いや、待ってる人が来たのかと思ったんだ」

彼は自分の反応に、照れたように目をそらした。

よくよく見ると、けっこうなイケメンだわ。
先輩といい勝負。

彼の肩には、地面と同じくらいの雪が積もっている。
かなりの時間、ここにいるのだろう。
だれを待っているか知らないけど、相手が女性だとしたらなんてバチあたりな女だ。

「きみ、うちの生徒じゃないね」

「ええ、この学校も町も初めて……」