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ほたるの光は 僕の鼓動
(恋しすぎるから)
夜空に瞬く天の川の星々は 君に伝えたい僕の想いの数
(愛しすぎるから)
うつりゆく季節は 君をなお、綺麗にして
(理由なんてもう忘れてしまった)
僕をおいていく
(変わらない景色 流れゆく時よ)
止まっていたはずの心が また 動き出す
雨上がりの夕暮れ。 あんなに暑かった日差しも今はもう山の向こうへと遠ざかり、少し生暖かい風が夏の訪れをうたっている。
「そろそろ屋台、始まったかな?」
セミの声が徐々に静まりつつある旧家の縁側で、君は風鈴の音に誘われるようにそう言った。
よく似合う菖蒲柄の浴衣の胸元を気にする君に、僕の胸は急ぎ足になる。
「うん、もうそろそろ出てるよ。 ……七夕の短冊、何書いたの?」
君がこの町を離れてから、何度目の夏になるだろう。
七夕の織姫と彦星のように、一年に一度帰省する君と、それを待つ僕……。
やっと、会えたのに……。
「えー? それ言ったら、叶わなくなっちゃうじゃない」
おどけて言う君の横顔に、眩暈がする。
こんなに近くに君がいるのに、なぜ、涙がにじむのだろう……。
「あ、花火! 始まるよっ、早く!」
空に咲いた大輪の花に、君はカコンと下駄を鳴らして僕を誘った。
手を伸ばしたら、届きそうな笑顔に僕は後ろからついていく。
数年前。
「えっ、T大って……地元の短大すべり止めにして、本命はS大行くって……」
この日も真夏日を更新。 なんて、テレビのアナウンサーは涼しげな顔で伝えていた。