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act.2
“恋愛は自由だよ”。
誰がそんなことを言った?
そんなのは……嘘以外のなにものでもない。
“心が通じていれば、それでいい”。
本気でそう思っているヤツの気が知れない。
心は傍にあったって、は誰かの腕の中……。
刹那でいい、僕に ———— あなたをください ————
ガタタン、ガタン。 ガタタン、ガタン。 ガタン……。
列車が線路の上を前進するたびに、その一定に決められた音が響き、僕たちの乗っている座席は小気味よく上下に揺れる。
「夕焼け、久しぶりに見るなぁ……」
窓に映っている海と、夕陽。
こんな時じゃなければ、綺麗だとも思っただろうけど……。
夕陽よりも、うすく映っている……僕の隣りに座っている君の心配そうな顔の方が気になって、むしろ夕陽より、窓の君を僕は見つめる。
「……あれね、中学のとき学園祭の準備で帰るのがこんな時間になっちゃったときに見たのと、同じカンジ」
すごく懐かしそうにそう言った君に視線を移し、僕はすっと目を細めた。
欲しいものを奪うという、小さい子供の気持ちが、すごくわかる気がする……。
もしかしたら、彼が君を連れ戻しに、すぐそこまで来ているのかもしれない。
つい、数時間前。 君は純白のウェディングドレスに身を包み、教会にいた。 そう、僕ではない彼が、君の横にはいて……。
「早く来い! もう泣かなくていい!」
君は一瞬ためらった。
それは・・・・・・はっきりと僕にも伝わってきた。 伊達に10年以上もを続けてきたワケじゃないから……。
それでも君は、僕に飛び込んできてくれて、ここに居る。
「日が暮れるの、早くなったね」
少しずつ動いていく蒼い星空を、君はさっきと同じ様に見つめたまま、ふと寂しそうに眉根を寄せた。
僕は君の左手に右手を重ねた。
薬指にある指輪が、かすかに冷たくなっている。
昔と、変わらない……。
重なった手に君は、僕を見て微笑んだ。
———— ずっと、見ていた ————