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 ね? と、差し出した手に暁は素直に自分の手を重ねた。
 その時史郎は、昔殺したはずだった“自分”を、よみがえらせたのだった。

 

 

 ……う。し……う。しろう!
 自分を呼ぶ声が聴こえる。が、手枷、足枷が付いているかのように体は思うように動かない。
 水面下から少しずつ水面に浮くようにして戻ってくる意識の中で、史郎はぼんやりと瞼をもちあげる。

「あ……つき?」

 2重3重に見えていた1人の少女に焦点は結び、史郎はあれ? と、自分の頬が濡れている事に気付いて身を起こす。

「やだもー史郎ってば何泣いてんのよぅ。あーびっくりした! ……何か悲しい夢でも見たの?」

 あの頃と違い、髪の長さこそ変わりはしないものの、光に当たるとダークブルーに変色する淡い黒髪と、それと同じウォーターコンタクトを入れている瞳に史郎は何故かホッとする。

「夢? ……うん見てた。って、あれ? なんの、夢だったかな」

 パタパタと史郎は自分の目から溢れる涙を止めることが出来ず、不思議そうにそれだけ言った。