小説一覧カテゴリー: 中編小説

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p49

あなたが解き放たれるのなら じぶんはどんな罪人にでもなれた あなたが幸福になれるのなら じぶんはどんな悪魔にだってなれた なぜなら…… ありきたりだけど…… じぶんはあなたを愛しているから…… あなたのためなら じぶんは・・・

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p37

 プルルルルッ! プルルルルッ!  翌朝早く、フロントからの内線で、柊、凌はたたき起こされる事となった。 「……はい」  頭痛と、喩えようのない体のダルさを覚え、柊は目を覚まして受話器を取り、一言返事をした。  隣に居る・・・

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p30

『幸福しあわせな時はいつまでもそう、続かないわよ……』。 確か麗香が、そんな事を言っていた……。  凌はよほど柊に琵琶湖を見せたかったのか、湖のほとりにあるホテルにチェック・インした。 「はぁ!? ダブルのひと部屋 ぁ!・・・

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p25

『殺しバレたらもう一緒に居られなくなる!』  柊は走りながら、さっき言った言葉をリフレインさせる。  そしていまだ繋いだ手を離さないで自分の前を走る凌を切なく見つめ、キュッと下唇を噛み締める。  あたし、どうしよう。 好・・・

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p19

『京都~、京都~』  駅のホームに案内が響き渡る。  静岡から新幹線で名古屋まで乗り継ぎ、名古屋から東海本線へ乗り換えて全所要時間5時間余り。  凌の心配も後にも先にもあれきりで、柊も今や大して普段と変わらない態度を保っ・・・

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p13

 列車の発車ベルが駅のホームを賑わせ、休みのせいだろうか家族連れの姿が多く見受けられた。  柊は自由席の窓際を陣取り、そのホームに見受けられる仲の良い親子連れを見てボゥっと思い出す。  今日から3日間旅行に行くとか言って・・・

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p7

 ピピピピッピピピピッピピッ……。  カーテンの隙間からは白い光が差し込み、マンションの一室を一筋照らして埃を浮き立たす。  ベッドの脇にあるサイドテーブルの上にはごく普通の目覚まし時計が、午前7時を告げて忙しく鳴ってい・・・

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End.

 一人の刑事のその一言で凌は柊から離れ、那由多の雪が積もろうとする湖畔をゆっくりと引かれて歩いた。  それを泣きはらした瞳で見ていた柊は、母親の声で我に返る。 「……柊、告訴する?」 「こ、くそって……。世間みんなにバレ・・・

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p54

「結城 凌。 殺人及び殺人未遂の現行犯で逮捕する」  柊が凌の首に腕を回そうとした瞬間、凌は黒のダッフルコートの刑事に片腕を引っ張られて立たされ、手錠をはめられてしまった。 「っ凌! あたし待ってる! 10年だって、20・・・

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p53

 湖畔に居る人々の息も真っ白くなり、寒さのせいで体を小刻みに震わしている。  けれどそんな中で、柊だけは声なき声でむせび泣き、ぐっと両手を握りしめていた。 「……やっと、逢えた。“限りない大切しあわせをいっしょに感じあえ・・・

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