小説一覧カテゴリー: 中編小説

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p8

 玄関上がり口に座ってブーツを脱ごうとかがんだ時、だった。 「お前どこ行ってたんだよ。こんなに遅くなって……。 腹へったぞ。早く飯作れよなぁ」  うしろから男の声。  ――――……っっはあ?! 「だっ、だれよあんたぁぁっ・・・

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p7

「とっ、となりなんだからそんな……」  メンドーなことしなくたって。  そう言うあたしの言葉をさえぎって、自分の家に戻ろうとしている慎ちゃんの背中を見る。  背ぇ、伸びたんだなぁ……。 「クスッ。 いいじゃん、デートなん・・・

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p6

「も、もぉそんな手にのらないからねっ☆」  二重の策できたな? 慎ちゃん。  なぁんて思ったけど、慎ちゃんは言ったままの穏やかな笑顔のまま、あたしから瞳をそらさない。 「……じゃあ、どんな“手”をつかえばのってくれるの?・・・

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p5

「ふたりで、クリスマスしようよ」  かぁぁぁぁっ!  うっわ、あたし絶っっっ対、顔まっかだよぉぉっ! 「でっ、で、でもあたしなんかじゃなくてもっ、もっと……もぉーっと! ステキなひと、いるでしょ?!」  まっかになってる・・・

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p4

 慎ちゃんがきゅうにマジメな顔になってしまい、あたしはう~ん。 と、首をかしげる。 「……遠慮なんかしてるんじゃないだろうね」  うぉうっ。 図星だ☆。 「はぁ。親父もお袋も待ってるよ。 毎年毎年迎えにこないと来てくれな・・・

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p3

「~~~っそのっ、うしろから急に呼びかけるクセ! どーにかなんないかなぁっ、慎しんちゃん!」  ちょい涙目になんかになっちゃってるあたしをぷぅっと吹き出して笑いはじめたこの男、神崎 慎也かんざき しんやこと、慎ちゃんは、・・・

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p2

 いーや、帰ってねよ。  あたしはお気にのトートを肩にかけなおして、かの有名な住宅地へと乗り入れる電車に乗った。  あたしが天涯孤独になっちゃったのは、3年前の夏だった。  ふたり結婚記念日が十周年だからって、夜ふたりき・・・

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恋は舞い降りた【完結】

3年前の夏。 あたし、春日部有栖(かすかべありす)は天涯孤独になった。 今日はクリスマスイブという日に、家へ帰ったら知らない男、砂原和泉(さわらいずみ)があたしの帰りを待っていた。 なんと彼は彼の両親とあたしの両親とで決・・・

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p1

「ばっはは~い有栖ありすぅ! あしたガッコぉでねぇ~♪」  行きつけのライヴハウスを出て、友人の真琴まことはぶんぶんと手を振って渋谷駅へ走って行った。  やぁだよ。だって明日からガッコ冬休みじゃん。  さっき飲んだ、チュ・・・

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