小説一覧カテゴリー: 中編小説

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end.

なのに慎ちゃんはあたしのそれをわかってくれたらしくて……。 わしわしっとあたしの頭をかいた。 それを合図に、あたしは舞い降りる雪の中を、和泉めがけて走った。 いっぱいいっぱい傷ついたね。 「――……っ和泉!」 「っクラブ・・・

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p54

 うしろから、叫び声。  昨日、ずっと捜していた……声。  ―――― 和泉!! ―――― 「……っくなよ、行くな!!」  涙じゃなくて、雪に濡れて……。  振り返ると、舞い降りる雪の中に、急いで来たのかコートも着ないまま・・・

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p53

 だってもう2度と逢うことなんてないっ。  自分から出て行っちゃったんだもん!  ハンドバッグ両手に握りしめ、白い息を、空からはらはら落ちてくるあの涙に似た雪に乗せる。  動かない足を必死で動かそうとする。けど……。 ド・・・

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p52

「忘れ物はないかな? 有栖ちゃん」 「あ、はい! おじさん。 ……と思うんだけどなぁ」  車のトランクを開けて、慎ちゃんのお父さんはあたしの荷物をよいしょと持ち上げて言った。  今日は、昨日夜半から降り始めた雪のせいで、・・・

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p51

 ぐっと両手に力入れて、うつむいた。  このごろあたし、涙腺弱い……。 「きゃ……。 もう、忘れなきゃ……っ。 っふぅっ! わすっ……」  ―――― 忘れられない ――――  玄関のドアを開けて家の中に入る。  静かすぎ・・・

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p50

「あはは、いいよそんなの。 ――……ねぇ、有栖。もしかしたら」 「……っ?!」  ドキッと高鳴った鼓動にあたしはばっと顔を上げて、慎ちゃんの顔を直視する。 「な……なに?」 ドクン、ドクン、ドクン……。 「……いや、なん・・・

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p49

 次の日の朝、和泉の姿はどこにもなかった。  予想は、していた。 わかってた……。 「何も盗られてないね、有栖。 ……あの後どういう事話したか知らないけど、よかった。被害がなくて」 「うん……」  黙ったまま、行っちゃっ・・・

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p48

 でもね……和泉。 それは、あたし言わない。  最後の……本当の……。 「……あたしね? あさってから慎ちゃんと、お正月三が日まで、アメリカ行くの」  えっていう驚いた声が、和泉の喉から低くもれた。  けど和泉はおでこを・・・

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p47

「サラ金のタチ悪いヤツラでさ、おれに働いて稼いで利息分返せっつんだよ。500万! 利息がンなに付くワケねぇのにな……。 たかだか中坊のおれに何ができるよ……? っいきなりひとりになって、ウラ社会に入れられてっ。 『私あな・・・

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