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影良はずくずくと痛む頭を抱え込むようにして、廊下に膝をついた。
その声を聞いた光記はすぐさましゃがみこんでいる影良の元に駆け寄り、顔を覗き込んだ。
「影良、影良! ……裕也、下村医師を早く!」
「……わ、わかった。 ……——あ、裕也だ、下村。 至急VIPフロアに来てくれ。急患だ」
裕也は携帯にある短縮番号を押し、受話器越しに話しかけた。
ドクン、ドクン、ドクン————!
頭が、割れそうに痛い。 吐き気までこみ上げてくる。なんなの……この感覚は……!
“「還ってきて……ラ=ゴウ。ワタシのもとへ」”
なんなの————!! ドクン!!
「—————……っ!!」
「影良!」
悲鳴ともなんとも言いがたい声を喉奥から発した影良は、左手を床へつき、右手で額を包むようにして静止し、目を剥いてどこか遠くに視線を投げた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」 ドクン、ドクン、ドクン……。
“「月光より出ずる者」”
「え……影良?」
“「吾が呼び声に応えよ……。 そして吾が腕の中へと戻りてまいれ」”
「“わたくし、行かなければ……”」