小説一覧カテゴリー: 中編小説

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p27

 ばかぁ……。  目の前が、白くにじんだ。 「いーっだ! 泣くわけないじゃん! 泣かないもんっ」  言ってることとは反対に、ぼろぼろぼろぼろ流れてくる涙を、和泉がソファ立ってふき取ってくれる。  パパとママがいなくなった・・・

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p26

 あんたホントにあたしよりみっつも年上なの? ってくらい、むじゃきな笑顔で和泉があたしにきく。  さっき、ついさっき……。うちに誰かがいるっていう、たったそれだけの事に、すごく安心した。 「ヤってことは……」  なかった・・・

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p25

 あたしも慎ちゃんも、和泉の言葉にびっくりして……。  あたしにいたってはバカじゃない? ってぐらい大口開けちゃっていた。 「で・も! 有栖の夫となり、唯一の伴侶となるのは……ふふっ、このおれだ」  なんか、和泉の言葉が・・・

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p24

 ……こんな慎ちゃん、見たことがない。  ガラにもなくあたしはしんみりしちゃって、自分の家なのになんか“借りてきたネコ”になっちゃって……。  あたしは一人がけの上座にあるソファに座り、テーブルをはさんで対面している和泉・・・

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p23

 言わないほうが、よかったかな……。  その後も、慎ちゃんはなんにもしゃべってくれなくて……。  ついさっきまでつないでいた手は、あたしの家に戻っても、つながれることはなかった。     「あっれ、有・・・

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p22

「……で? 今もそいつ有栖の家にいるの」  びくっ! って、体が痙攣した。  なん、か……怖いよ。 慎ちゃん。 「うん……。いると、思う」  ふーん。  ドクドクとワケのわからない不安が頭の中で行ったりむ来たりして、落ち・・・

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p21

 ごめんなさい。 あたし、自分が声でかいの忘れてましたぁ。  ついでに頭が痛くなるひとつの忘れていたことも思い出す。  うっうっうっ……(泣)。 「ごめん慎ちゃん。話したいことあるの」  クリスチャンのように指を組んです・・・

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p20

 周りを行きかうギャル集団との組み合わせが、なんともミスマッチだった。 「もし、有栖がよかったら、なんだけど」  まさかの思いに、息が止まりそうになる。 「俺と、付き合って欲しいんだ」  アスファルトを見つめていた慎ちゃ・・・

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p19

「や~んもぅ、すぅっごいよかったねぇ♪」 「……少し遅くなったけど、ランチどこかで済まさないとな。 なんか食べたいものある?」 「ん~にゃ☆ 慎ちゃんにまかす」  映画館をあとにして、ヨーロピアンな気持ちにどっぷりハマッ・・・

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p18

「ひと、からかってたのしいのぉっ?!」 「あははっ、ごめん。 ……有栖からかうのってアレ、好きな子をイジメたくなるってのだから」  びっくりしてあたしは間の抜けた顔をする。 「……映画! シェークスピアのヤツっ。まだ観て・・・

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