小説一覧カテゴリー: TIMEシリーズ

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p23

 つながれたふたつの手を葵は自分のコートのポケットに入れて、ぼそっと。 「こちらこそ」  と照れながら言った。  大丈夫だね。やっていけるね……。ふたりで、これからも……。 「あ、ふたりでやっていくのもいいけど、そろそろ・・・

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p22

「なんでよぉっ! どーして!? 理由はっ! 理由言わないと納得しないから!」  しまった。あたし、自分の声がでかいという事を失念していたわ……。  ざわっとした店内よりも、どういうわけか意地になっている葵をあたしは問い詰・・・

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p21

 ……。ああ……。くすっ。なんだ、なんだぁ……。 「なに笑ってんだよ。俺はな! なんでいつもと」 「久しぶりの葵とのデートだもん。いつもと違うのは葵のためだもん」  あたしがそう言うと葵はみるみる真っ赤になって、右手で口・・・

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p20

「うーん、元気だけど……好きな女性ひとと一緒なら、もっと元気だったんだろうけどね」 「うっっっわ! 相っ変わらずですねぇえっ」  ムカつくーーーって顔を満面に出して葵は引きつりながら一応笑顔を取り繕って言った。  あーあ・・・

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p19

 ちぃちゃんこと加山 千歳は、つい一年前まであたしの婚約者だった。 「どうしたの?」 「いや、幸せそうな顔している元フィアンセが居たから冷やかしてやろうと思ったんだけどね。 ……元気だった? どうしたの、今日は」  切な・・・

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p18

今日はおもいっきりおしゃれして行こう。 キレイだって、言ってくれるかな……。 「……いや、言わないわね、葵は」  はふっと息をついて、鏡に向かってお気に入りの口紅をひく。 『待ち合わせ』なんてゆーから、ドキドキするじゃん・・・

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p17

 小枝子……。なんであんたまでそんな顔してるのよ。 なんでみんなそんな……————。  ふと、縁側から見える応接室の奥にある“もの”が目に入り、目を見張る。  葵が撮ってくれた、あたしの写真の上に、白と黒のリボン。  あ・・・

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p16

 ざわざわといろんな人がいる。ここは……梅原の実家の庭だわ。  あたしは自分が白い着物を着て足元がおぼつかないのを感じる。  ふわふわして、不思議なカンジ……。  あはっ、なぁんか“これ”ってアレじゃない? 死んだ人が着・・・

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