小説一覧カテゴリー: TIMEシリーズ

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p54

「な、んで。久世さ……」  葵は真っ白になった頭の中で必死に何を言いたいのか考えるが、それはうまい具合に口からは出てこなかった。 「葵、知り合いか?」  渋谷は意外そうに2人を見て聞いた。 「高校時代の同級生です」  間・・・

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p53

「久しぶり、圭助。 モンタージュ、役に立てなくてすまない」 「いや、そんなことはいい。で、ニュースは本当か」  信じられない。信じたくない。という顔で葵が圭助の後に付け足す。 「自殺でもないのか」 「だったとしても、七澤・・・

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p52

 最後が消え入るようにか細くなった葵の声に薫はスプーンを止める。 「……っごめん。まぁ、そんなことだから。 遅くなるといけないからさ、ささっと済ませよう」  何とも言えない笑みを浮かべて言った葵は、それ以上そのことに関し・・・

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p51

 街の大通りにあるファミリーレストランの中に足を踏み込んだ葵は、きょろきょろと辺りを見渡して久世薫を探す。 「日下くんっ」  奥の窓際の席で薫は手を挙げて葵に知らせる。 「ごめんね。しばらく予定が立て込むことになっちゃっ・・・

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p50

 22時過ぎという時間に電話が鳴り、事務所の中がどれだけ静まり返っていたかを思い出させる。  この時葵は渋谷からの電話だと思い込み、受話器に向かってそう言うが、相手はそうではなかった。 「……あ、久世さん。ごめん、人違い・・・

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p49

 視線を紙の人物からは外さずに、葵は低く言った。 「七澤くんはこの人物に心当たりはないと言っていたよ。東京こっちの警察病院に移送されたから確認してもらったんだ」  唯一の手がかりと思われる人物が、手がかりではなくなるのか・・・

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p48

 その日の夕方、葵は3日ぶりに感じる真新しくも懐かしい事務所の空気を吸った。  けれど落ち着いていられたのも束の間、すぐに部屋の中の空気は一変した。 「よう、お帰り」  事務所の中に居た葵、小枝子に圭助はドアを開けるなり・・・

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p47

 きぃ、とドアが開いて中から上品な着物を着た中年女性が顔を覗かせる。 「はぁ。中へどうぞ」  圭助は招かれて店の中へ入り、あの日の新聞の切り抜きを女性に見せて事務的に聞いた。 「この2人のうちどちらでもいいんですが、見覚・・・

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