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「何なんだよ。ひとの周りをうろうろ……。 “迷惑なんだよ”」

 大抵のヤツは“この一言”でひるみ、去っていく。そしてそれ以上は関わろうとはしてこない。

「……あたし、梅原 小夜子うめばら さよこ。経済学部3年。覚えてネ♪」

 俺は、やっぱりさっきみたいに驚いていた。表情をひとつ崩さず、イヤミも言わないでその女……は言った。

 変な、女……――。

 この時すでに、俺はもうつかまっていた。
 ただ、自分で認める事が出来なかった。 惹かれる……って。
 そののち、貴女は俺に言うことになる。

「葵ってばあたしが話しかけても無視の一点張りだったんだよねぇ~。あたしホントにそんな嫌われてンのかなぁなんて、真剣に悩んだんだからねぇ? まったく」

 そうじゃ、なかった。
 “人を、好きになる”って事を知らなかったんだ。