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「センパーイ! センパイどこですかぁ?」
朝起きてみたら、いつも通り部屋で寝ているだろうせんぱいは姿を消していていた。
いつもならやっと起こして朝食を頂く時間なんだけど……。
「布団はすでに押し入れ。トイレにもお風呂にもいなかった。……まさか今日実は仕事休みじゃなかった……!?」
ざぁーっと顔にタテ線を走らせて蒼くなり、超特急で着替えてアパートの一室を走り出た。
年末。しかも今日はクリスマスという旅行代理店にとってはこの上ないかき入れ時。ボクの勤める『日下旅行代理店事務所』は、なぜかこの日休みだった。
「と、思ったんだけどなぁーもぉ。 ————……騙されてたりしてっ」
朝、まだサラリーマンやOLが会社へと向かう時間である。夜になれば今日は恋人や家族などでごった返すだろう。
「エイプリルフールには早いですってもぉー。 なんでこんな日にボクが走らなきゃいけ」
ぷちぷちと文句を言いつつボクは商店街に出る角を勢いよく曲がった。
どんっ!
見事な人身事故。
「ったぁ……。っすみません! お怪我は……」
「んのねぇ! うだうだ文句言いながら走らない! きみ、私がヤの人ならさばかれてるわよ七澤くん!」
いたぁ……。と、額をさすりながらその女性、小枝子さんは言った。
……たしかに。もっともです。